小学生〜高校生くらいまではけっこう本を読んでいたのですが
大学生以降は本を読むことがめっきりなくなりました。
そんな中でも、比較的最近読んだ数少ない本(挫折も含む)&気になる本をあげています。
順不同です。ネタバレもあるのでご注意を!
読んだ本
バッタを倒しにアフリカへ/前野ウルド浩太郎
あらすじ
バッタの群れは海岸沿いを飛翔し続けていた。夕方、日の光に赤みが増した頃、風向きが変わり、大群が進路を変え、低空飛行で真正面から我々に向かって飛んできた。大群の渦の中に車もろとも巻き込まれる。翅音は悲鳴のように重苦しく大気を振るわせ、耳元を不気味な轟音がかすめていく。このときを待っていた。群れの暴走を食い止めるため、今こそ秘密兵器を繰り出すときだ。さっそうと作業着を脱ぎ捨て、緑色の全身タイツに着替え、大群の前に躍り出る。
「さぁ、むさぼり喰うがよい」
光文社作品紹介ページより引用
感想
これめっっっちゃ面白かった。おすすめ。
思わずフォントも大きくなるくらい面白い本でした。
バッタを倒したい…というかバッタに喰われたいというその一心でバッタ博士になった著者。
よっしゃアフリカまで行っちゃうよ★
バッタと触れ合いすぎてバッタアレルギーになっちゃったよ★てへへ★
頭おかしい狂気。(※誉めています)
好きなことを仕事にして生活していかれるレベルにするには、それくらいの覚悟が必要なんだなという現実と、熱意があれば成し遂げられるんだ!って勇気をもらえる一冊。純粋な狂気は現状を打破する力があるんだなあ。(※誉めています)特に、進路に悩んでいる学生さんにはおすすめかもしれない。
軽めの文体なのでサクサク読めます。素敵だな、と思ったのが、どんなときでもポジティブ思考なこと。著者が訪れたモーリタニアはフランス語圏。フランス語話せないのにガッツで意思疎通してる。この姿勢は見習わないとなーと思いました。あと、料理の描写がめっちゃ美味しそう。読んでるとお腹が空く。
虫の写真とかも載っているので、苦手な人はちょっと注意が必要かもしれません。大群のバッタも載っていました。想像をはるかに超えて大群でした。
本文中に書かれている以上に大変なこともたくさんあっただろうし、就職先が見つからないかも…同期より遅れをとっているかも…という恐怖やプレッシャーは相当なものだったと思います。
終盤は感動して泣きました。(ガチ)
前野さんのWikipediaを発見しました
儚い羊たちの祝宴/米澤穂信
あらすじ
夢想家のお嬢様たちが集う読書サークル「バベルの会」。夏合宿の二日前、会員の丹山吹子の屋敷で惨劇が起こる。翌年も翌々年も同日に吹子の近親者が殺害され、四年目にはさらに凄惨な事件が。優雅な「バベルの会」をめぐる邪悪な五つの事件。甘美なまでの語り口が、ともすれば暗い微笑を誘い、最後に明かされる残酷なまでの真実が、脳髄を冷たく痺れさせる。米澤流暗黒ミステリの真骨頂。
新潮社作品紹介ページより引用
感想
コッワ〜〜〜〜〜〜!!!!!!!めっちゃ面白かったです。
怖いの一言。読んでいる最中も心臓が嫌な感じで動いていました。まろやかな筆致で描かれる、美しくも静かなる狂気。全編に流れている、不穏な空気。「わ〜いお嬢様が出てくる〜🤗」ってテンション上がってたのにヒュンってなった。みんな正常に狂ってる。どの話も甲乙つけがたいヤバさ。300ページちょいだから秒で読み終わります。読み終わった後の余韻がね、「コッワ…美し…でもこわ…」ってなる。好きな小説です!
ネタバレをギリギリ避けた感想(Twitterにメモってました)
- 身内に不幸がありまして
-
お前〜〜〜!!!!!!!
ページをめくったら待ち受けていたのは衝撃の展開。「そんなことのために、こんなことを?!?!」って思うけど、彼女には大事なことだったんですよね。
- 北の館の罪人
-
アハハばれて〜ら(⌒▽⌒)
これ、主人公は詰んでいるのでは…
- 山荘秘聞
-
えっ、この独白は時系列では…無………あばばばばばばば
- 玉野五十鈴の誉れ
-
彼女は最後の最後に””””料理””””ができたのだろうか。
- 儚い羊たちの晩餐
-
歴史は繰り返すし、彼女もしっかり狂っていた。
わたしが一番好きな話は、「玉野五十鈴の誉れ」です!!
満願/米澤穂信
あらすじ
「もういいんです」人を殺めた女は控訴を取り下げ、静かに刑に服したが……。鮮やかな幕切れに真の動機が浮上する表題作をはじめ、恋人との復縁を望む主人公が訪れる「死人宿」、美しき中学生姉妹による官能と戦慄の「柘榴(ざくろ)」、ビジネスマンが最悪の状況に直面する息詰まる傑作「万灯」他、「夜警」「関守」の全六篇を収録。史上初めての三冠を達成したミステリー短篇集の金字塔。山本周五郎賞受賞。
新潮社作品紹介ページより引用
感想
「儚い羊たちの祝宴」に続いて読みました。こちらも面白かった!でも、怖さは「儚い〜」の方が上です。
ネタバレをギリギリ避けた感想(こちらもTwitterにメモってました)
- 夜警
-
川藤みたいな人、たぶん現実にいる。
- 死人宿
-
しょうがないよな…って思う。目の前のことに必死すぎて同時進行していた他のことまで気に留められなかった。
- 柘榴
-
オムファタル(っていうんだろうか)。母も娘も、女だった。
- 万灯
-
世にも奇妙な物語でありそう。またはドドドドブラックな半沢直樹。どう考えても詰んでるから、然るべき機関にASAPで名乗り出てもろて…
- 関守
-
おばあさんは「仕方がなかった」っていう。そうだね。仕方がなかったね。世にも奇妙な物語でry
- 満願
-
夫には出来すぎた妻だった。
一番好きな話は、「柘榴」と悩みましたが…「万灯」です!
近畿地方のある場所について/背筋
あらすじ
情報をお持ちの方はご連絡ください
近畿地方のある場所にまつわる怪談を集めるうちに、恐ろしい事実が浮かび上がってきました。
KADOKAWA公式ページより引用
感想
Xでみんながこわいこわいと言っていたので、とりあえず「カクヨム」で読みました。(本じゃないんかい)
面白かった!こちらの日常に侵食してくる恐怖が感じられました。でも期待しすぎたのか、思ったよりは怖くなかった。普段から怖い話読んでるからかもしれない。笑 紙の本で読んだらまた感想が変わったかな?
民俗系の怖い話が好きな人にはおすすめです!
よりゾクゾクしたいなら夜中に読もう!
以下ネタバレっぽい感想
雑誌とかインタビュー、ネットの情報などが途中に挟まれるので、より現実味を増しているのかも。でもね〜こういう手法のホラー小説、Pixiv※で読んだことあったんだよな〜。
あと最後に老人がドバ〜〜〜〜って解説ちっくなこと喋っているのが残念だった。いや、このターンがないと、(作者がどこかで解説ページなりなんなり作らない限り)話の背景にある因果関係を知りたい読者は置いてきぼりを喰らうわけで、仕方がない展開だと思うんですけどね。
※Pixiv(ピクシブ)とは:ユーザーが作品(イラスト・マンガ・小説)を投稿できる会員制のSNS。
積読状態の本
外資系1年目のための英語の教科書/マヤ・バーダマン
内容紹介
一流はフレーズだけを覚えない。
外資系企業で著者が最も痛感したのは、
『「英語フレーズ」だけ覚えても現場では通用しない』
ということでした。
『私がほしかったのは、
「ビジネスに適した英語の使い方」とその「シーンにふさわしいマナー」
を1冊にまとめた本でした。
どちらか1 つだけでは足りないことを私は現場で痛いほど感じていたか
らです。けれども残念なことに、そのような本は見つかりませんでした。』
と著者が語るように、「英語」と「そのシーン」に合ったマナー、
この両輪があってはじめて、プロフェッショナルと言えるのです。
本書では「挨拶」「依頼」「メール」「電話」「会議」「プレゼン」「謝罪」「感謝」など、
あらゆる場面で必要となる「英語」と「マナー」を一緒に紹介。
たとえば、「It’s nice to meet you.」を覚えるだけでなく、
相手が「It’s nice to meet you.」と挨拶したら、
おうむ返しをせず「I’m pleased to meet you.」と返すなど、
「英語」と「マナー」を一緒に覚えることで、
どこへ行っても通用するビジネス英語を身につけることができます。
KADOKAWA公式ページより引用
積読中のワケ
仕事で使えるかもしれない!と思って購入しましたが、英語を話す機会がほぼないのでちゃんとは読まないまま…パラっと見た感じ、勉強になりそうでした。でも読んでない。読みたい。(読めよ)
気になる本
バッタを倒すぜ アフリカで/前野ウルド浩太郎
あらすじ
アフリカで研究を始めてはや13年。ようやく極秘裏に進めていたメインの研究成果を論文発表することができ、学術的要素をふんだんに盛り込んだ本を執筆できる準備が整った。
そのメインの研究とは、サバクトビバッタの繁殖行動について調査したものだ。具体的には、バッタの雌雄がいかにして出会い、結ばれ、産卵しているのか、その一連のプロセスを明らかにしたものである。研究者として、論文発表前の研究成果を公の場で書き記すことは控えるがのがしきたりのため、これまで執筆することはできなかった。(「まえがき」より)
日本、モーリタニア、アメリカ、モロッコ、フランス――世界中を飛び回ってのフィールドワークと実験は、深刻な食糧危機の原因となるバッタの大量発生を防ぐ可能性を持っていた!画期的な研究内容がいよいよベールを脱ぐ。
光文社作品紹介ページより引用
気になる理由
「バッタを倒しにアフリカへ」の続編だ〜〜〜!!!!
バッタ人間が…増えてる…!!!!ちょっと、誰よそのバッタ!!!!(表紙の話)
しかもですね、今回は608ページ。前作は384ページなので大増量です。前回からどのような飛躍を遂げたのでしょうか?!すごく読み応えがありそう。
なぜ働いていると本が読めなくなるのか/三宅香帆
内容紹介
【人類の永遠の悩みに挑む!】
「大人になってから、読書を楽しめなくなった」「仕事に追われて、趣味が楽しめない」「疲れていると、スマホを見て時間をつぶしてしまう」……そのような悩みを抱えている人は少なくないのではないか。
「仕事と趣味が両立できない」という苦しみは、いかにして生まれたのか。
自らも兼業での執筆活動をおこなってきた著者が、労働と読書の歴史をひもとき、日本人の「仕事と読書」のあり方の変遷を辿る。
そこから明らかになる、日本の労働の問題点とは?
すべての本好き・趣味人に向けた渾身の作。
集英社新書公式ページより引用
気になる理由
Xで話題になっていたので、とりあえずブクマしました。自分の場合、働いていると…というよりは大学生になってから読まなくなったのですが。
Xはできるのに本は読めない。多分軽めの活字を読みたいっていう欲求と”今”の情報を知りたいっていう欲求がXで満たされているんだと思います。読むという行為に割く脳みそのリソース量が違うというか。何も考えなくていいというか。だからか文章力とか語彙力が衰えているなって実感します。
夜果つるところ/恩田陸
あらすじ
執筆期間15年のミステリ・ロマン大作『鈍色幻視行』の核となる小説、完全単行本化。
「本格的にメタフィクションをやってみたい」という著者渾身の挑戦がここに結実…!
遊廓「墜月荘」で暮らす「私」には、三人の母がいる。日がな鳥籠を眺める産みの母・和江。身の回りのことを教えてくれる育ての母・莢子。無表情で帳場に立つ名義上の母・文子。ある時、「私」は館に出入りする男たちの宴会に迷い込む。着流しの笹野、背広を着た子爵、軍服の久我原。なぜか彼らに近しさを感じる「私」。だがそれは、夥しい血が流れる惨劇の始まりで……。
謎多き作家「飯合梓」によって執筆された、幻の一冊。
『鈍色幻視行』の登場人物たちの心を捉えて離さない、美しくも惨烈な幻想譚。
集英社作品紹介ページより引用
気になる理由
友達に「あなたこれ好きそう」って言われたから!(単純)
あらすじからして面白そう。でも『鈍色幻視行』から読んだほうがいいのかな?
鈍色幻視行/恩田陸
あらすじ
謎と秘密を乗せて、今、長い航海が始まる。
撮影中の事故により三たび映像化が頓挫した“呪われた”小説『夜果つるところ』と、その著者・飯合梓の謎を追う小説家の蕗谷梢は、関係者が一堂に会するクルーズ旅行に夫・雅春とともに参加した。船上では、映画監督の角替、映画プロデューサーの進藤、編集者の島崎、漫画家ユニット・真鍋姉妹など、『夜~』にひとかたならぬ思いを持つ面々が、梢の取材に応えて語り出す。次々と現れる新事実と新解釈。旅の半ば、『夜~』を読み返した梢は、ある違和感を覚えて――
集英社作品紹介ページより引用
気になる理由
調べたら、「夜〜」と「鈍色〜」は2ヶ月連続で刊行された作品でした。
これは…!どっちも読んだ方が良さそう!!!先に刊行された「鈍色〜」の方から読もうかな。
挫折した本
開かせていただき光栄です/皆川博子
あらすじ
18世紀ロンドン。外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。四肢を切断された少年と顔を潰された男性。増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が……解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくときに哀しい不可能犯罪に挑む。
ハヤカワオンライン作品紹介ページより引用
感想
タイトルの”DILATED TO MEET YOU”は「お会いできて光栄です」の”DELIGHTED TO MEET YOU”をもじっているらしい。外国の小説を日本語に訳したのかなと思う文体だったけど作者は日本人です。ああいう文体好きです。
18世紀ロンドンという舞台設定が良い。しかし登場人物が多い。ダニエル先生とアン(治安判事の助手の女性)とネイサン以外はぶっちゃけ誰が誰か把握してなかった。あとエドとナイジェルね。他にお喋り野郎がいたのは覚えてる…
物語の主要人物の一人、ネイサン・カレン(田舎から出てきた詩人志望の少年)が無実の罪で牢獄に入れられたあたりから嫌な予感がし始めて読むの挫折しました。なんかすごく痛めつけられそうな予感がヒシヒシしてたので……だって足かせつけられてたもん…この時点ですごい痛そう…
(その後ネタバレをネットで読んだのですが、案の定ひどい扱いを受けていたようです)
そこを耐えて読み続けたら、屍体の謎や、解剖医ダニエル先生とその弟子たちのその後が分かったんだろうけどな〜ちょっと無理だった。多分ネイサンに感情移入しすぎてた。笑
わたしの場合、昔のロンドンというと、どうしても華やかな側面ばかり(特にヴィクトリア朝)を思い浮かべてしまうのですが、そんなロンドンの闇部分が描写されていて、「あ〜そうだよね。華やかなだけじゃないんだよね」と再実感しました。階級主義と貴族の世間体と、庶民貧民の暮らしの様子とか。ウィリアム・ホガースの「ジン横丁」を思い浮かべてもらうとちょっとわかりやすいかな。
わたしは挫折してしまいましたが、Amazonのレビューは高評価が多いです!
カササギ殺人事件/アンソニー・ホロヴィッツ(著)、山田 蘭(翻訳)
あらすじ
1955年7月、サマセット州にあるパイ屋敷の家政婦の葬儀が、しめやかに執りおこなわれた。鍵のかかった屋敷の階段の下で倒れていた彼女は、掃除機のコードに足を引っかけたのか、あるいは……。その死は、小さな村の人間関係に少しずつひびを入れていく。余命わずかな名探偵アティカス・ピュントの推理は──。アガサ・クリスティへの愛に満ちた完璧なるオマージュ・ミステリ!
東京創元社作品紹介ページより引用
感想
上下巻なのですが、上巻はとても面白かったです。ちなみに引用したあらすじは上巻のものです(意味深)
こちらも舞台はイギリス。小さな村にある大きなお屋敷の家政婦が死ぬところから物語は始まるのですが、村の人間たちは何かしら隠し事がありそうな雰囲気。そこに余命幾許も無い探偵、アティカス・ピュントが助手とともに訪れる…っているミステリ。まさにミステリ。めっちゃ面白かった。問題は下巻です。
ネタバレを含むので続きはこちらから!
上巻の最後で、ピュントが「〜が犯人だ」って言って終わるんですよ。「えっそこで終わる?!」ってなるじゃん。下巻読むじゃん。なんか別の話が始まってるんですよ。いやちょっと待ってピュントの物語は…?!って混乱しました。何かの間違いかなって、何回か上巻の最後読み直して、下巻の冒頭も読み直したけど、間違いじゃなかった……まごうことなく下巻だった…OTL
こういう物語展開っていうか書き方?が好きな人とか受け入れられる人もいると思いますが、(というかこの小説のキモはこの手法なのでしょうが)わたしは「う、裏切られた…!!!」という気持ちが強すぎて、キレて読むのやめました。(めんどくせえ奴)それくらい早く真相が知りたかったんです!!!ほんとに!!どうやって殺人を犯したのかとか全く見当がつかなかった人が「犯人だ!」って上巻の最後で(本当に最後の一行で)名指しされてたから…わたしのワクワクを返して……
「開かせていただき光栄です」と同じく、そこを耐えて読めば上巻で散々展開された事件の謎も解けるのかもしれないけど…耐えられなかった…良い読者じゃなくてごめん…
「自分そういうの全然だいじょうぶ〜!」っていう方はぜひ読んでみてください。面白いと思います。(わたしが言ってもなんの信用もないだろうけど)
Amazonのレビューは高評価が多いです!
おすすめの本があったら教えてください!
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